最近はスマホゲーム界隈で対戦型デジタルカードゲームの人気が高いですね。
ハースストーンに、去年配信されたシャドウバースや遊戯王デュエルリンクス、先日はコードオブジョーカーポケットもリリースされました。
私は昔、マジック・ザ・ギャザリング(MTG)やモンスターコレクション、ガンダムウォーといったアナログカードゲーム(実際の紙を使ったカードゲーム)で遊んでいました。今ではスマホのカードゲームをちょくちょくプレイしています。
今回の記事ではスマホの対戦型デジタルカードゲームと、市販の対戦型アナログカードゲームとを比較してみます。
デジタルカードゲームの良いところ
まずはデジタルカードゲームの良いところから挙げていきます。
カードの管理が楽
やはりデジタルの一番のメリットはこれでしょう。
紙のカードは保管するのに手間がかかります。
レアカードなどはスリーブに入れて保存しておいたほうがよいですし、カードが増えるごとにカードバインダーやストレージボックスといったアイテムもどんどん増えていって部屋を圧迫します。
ライフをチェックするための道具や、トークン用の小物も必要になりますね。
しかしスマホのゲームならアプリの中に全てのカードが納められていますし、所持枚数も一目瞭然です。
これほど楽に管理できるものはありません。
無料で始めることができる
アナログカードゲームはカードを買わないとデッキを組むことはできません。
しかし現在配信されているスマホのカードゲームは基本プレイ無料のものばかりです。
レアリティの高いカードを無課金で揃えるのは難しいですが、基本的なカードはそこまで苦労することなく手に入れることができます。
試しにやってみることが出来るのはデジタルならではですね。
いつでもお手軽に対戦ができる
アプリのカードゲームはスマホなどの機器にゲームをインストールすれば、もはやその時点でいつでもどこでも全国対戦が可能になります。
アナログの場合だと対戦相手と対戦をする場所をまずセッティングしなければなりません。
スマホカードゲームのお手軽さはアナログがどうがんばってもかなわない点です。
対戦に専念できる
アナログカードゲームだとデッキをシャッフルする効果が発生したらシャッフルしなければなりませんし、ライフが減ったらそれをちゃんとメモしておかないといけません。
トークンを出した場合はトークンを表す道具を使って表現しないと分からなくなってしまいます。
しかしデジタルならそのあたりはすべてアプリ側で行ってくれるのでわざわざプレイヤーが管理することもありません。
プレイヤーは対戦のみに集中することができるのです。
カードがしゃべる上に演出が入る
ほとんどのゲームはカードやリーダー(プレイヤーの分身)の声を豪華声優陣があてており、カードが場に出たり能力を使ったりしたときにボイスを楽しめるのはデジタルならではです。
声優が好きという理由からこれらのゲームにはまっていくというケースもあるでしょう。
それに加えて派手な演出が発生するのも見逃せませんね。
試合中にイカサマされない
マジック・ザ・ギャザリングは毎年のように大規模な大会が行われ、勝利者は栄誉と賞金を手に入れることができます。
そしてお金が絡むとやはり人間は欲望が出てくるのか、イカサマを行う人間が出てきます。
私も過去にそういった大会に出たことがありますのでいろいろな話を聞きました。
代表的なのはカードの裏面(スリーブ)などに自分だけが分かる傷をつけておくとか、カードを隠しておいてこっそり取り出すとかですね。
しかし、デジタルカードゲームではそういった対戦中のイカサマ行為は不可能です。(後述の通信切れを除く)
対戦相手のプレイに疑念を抱くことなくのびのびと遊ぶことができます。
プレイにいちゃもんをつけられずに済む
アナログカードゲームではちょっとしたプレイに関していちゃもんをつけられてジャッジ(審判)を呼ばれ、不利な裁定を受けたりすることがあります。
普段のプレイではもちろんそんなことはないのですが、大きな大会になればなるほどジャッジが呼ばれる割合は増えていくでしょう。
しょせん人間なので毎回ロボットのような正確なプレイをするのは難しいのですが、でも残念ながら軽い気持ちで行った行為が自分に不利に働くことがあるのですね。
他にもうっかりミス、例えば対戦中に自分のデッキを崩してしまってペナルティを受けた人も結構多いのではないでしょうか。
でもデジタルカードゲームはそういったことは起こりえません。
なにしろ、操作できること以上のことはどうやったってできませんからね。
アナログカードゲームの良いところ
続いてアナログカードゲームのメリットをピックアップしていきます。
実物のカードが手に入る
上で述べたようにアナログゲームでのカードの管理は手間がかかりますが、実物のカードが手に入るというのはなにものにも換え難い喜びです。
特にデジタルはカードをまとめて引けるので、パック開封1つ1つの喜びがそこまで大きくありません。
パック開封こそがアナログカードゲームの醍醐味だと考える人も多いでしょう。
コレクションが好きな人にとってはアナログカードゲームの方がぴったりですね。
カードが資産化する
マジック・ザ・ギャザリングのカードが特に有名ですが、カードの値段がものによっては1枚数十万円もすることがあります。
かなり長い歴史があり、公式が再生産しないと明言しているカードがあるので、そういったカードはかなりの価値がつくのです。
ゲームを引退する際、そういったカードを売り払うことでそれまでにかけた費用をある程度取り戻すことも不可能ではありません。最初期から始めた人ならカードだけで車の一台や二台は買えるでしょう。
デジタルカードゲームのカードは基本的にそういうことはありえませんね。そもそも実物がありませんし。
ゲームが歴史を重ねることで、自分の持っているカードに価値が付与されていくというのはアナログカードゲームの特徴だと言えるでしょう。
交流が広がりやすい
実際に対面して試合を行うため、アナログカードゲームは交友の輪が広がりやすいです。
デジタルカードゲームでは対戦が終了すると対戦相手の名前すら覚えていないことが多いですが、アナログだと特徴あるデッキに遭遇した時などに、後から対戦相手の顔をイメージできます。
トレードも対面してから行いますし、そういったことから知り合いが増えていくことが多いですね。
私はもう大会に出なくなって10年以上経ちますが、その頃のプレイヤーのことは今でも結構覚えています。
デジタル・アナログの悪い点
どちらのカードゲームも軽視できない問題があります。
特に気になっている点をそれぞれ挙げてみます。
デジタルでは対戦中にわざと通信切れを起こして無効試合を狙う人がいる
スマホのカードゲームは全国のプレイヤーとオンラインで対戦するという仕様上、どうしても対戦中にアプリが落ちてしまうことがあります。
自然に落ちてしまったのなら仕方ないのですが、わざとそれを発生させるプレイヤーもいます。
特にシャドウバースではこの件が一時期かなりの問題となっていましたね。
通信切れを起こしたプレイヤーが負けるなら問題ないのですが、たまにそうならないケースがあり、それを狙って起こす、もしくは起こせると考える人がいたのです。
これはオンラインデジタルカードゲームの宿命として、永遠についてまわる問題でしょう。
対戦相手の顔が見えないため、心理的にそういった行為をしやすいのかもしれません。
どちらが通信切れを起こしたか完全に判明できるなら、どんな理由であれ通信切れ側のプレイヤーが必ず負けるというルールが実装されるのがベターなのではないかと思います。
アナログのカードは入手難度が高いものがある
アナログカードは資産化するという話を上で述べましたが、そのために手に入れるのが難しいカードというものがどうしても出てきてしまいます。
昔のカードが使用できるルールの場合、後発組はそれらのカードなしでデッキを組まないといけません。
カードの総数が限られているために、後発組は明らかに不利になってしまうのが大きな欠点だと言えますね。
新規参入が増えにくい理由のひとつにもなっています。
双方の良いとも悪いとも言えない点
甲乙つけがたい点を挙げています。
アナログはカードのトレードができる。デジタルはカードを造ることができる
スマホのデジタルカードゲームは基本的に他のプレイヤーとカードのトレード(交換)ができません。
手に入れたカードが偏ってもそれを他の人とのトレード材料にできないのは残念な点です。
ただ、その代わりいらないカードを分解してポイントをため、そのポイントで持っていないカードを生成するシステムがほとんどのゲームに実装されています。
シャドウバースのレッドエーテルや、コード・オブ・ジョーカー ポケットのRPがそれですね。
多少不利なレートになってしまいますが、トレードの代わりにこの機能を用いることで好きなカードを手に入れることができます。
こうした分解・生成機能もデジタルカードゲーム独自の機能と言えますね。
プレイヤーの裁量が入る余地がないため、「レア1枚出すからコモン100枚ください!」といった交換ができないのが欠点ですが、ポイントをかき集めれば最上位のレアリティを手に入れることも出来るのが嬉しい点です。
アナログはまず友達と戦うが、デジタルはいきなり全国のプレイヤーと戦うことになる!
アナログカードゲームの場合、ゲームを始めるのは大抵友人からの誘いがきっかけになります。
つまり、対戦相手の腕前は同レベルであることが多いです。
作ったばかりのあまり強くないデッキでも、十分楽しむことができるでしょう。
お互いに持っているカードで試行錯誤し、少しずつ強くなっていくのを実感できます。
しかしデジタルカードゲームはそんなことはありません。
デジタルの場合、対人戦はランクを競うモードやフリーマッチといったモードがありますが、いずれも全国対戦なので初心者がいきなり上級者とマッチしてしまう可能性があります。(特定のユーザーと戦えるモードを備えたゲームもあります)
上級者とマッチしてしまったら、弱いデッキではひとたまりもなく負けてしまうでしょう。
やっぱり負けるのはくやしいですし、ネットで検索して強いデッキを模索したりします。今はそういった強いデッキの情報がすぐに手に入りますからね。
しかもゲームによっては、上位で流行るデッキをワンタッチでコピーできるシステムがあったりもします。
コードオブジョーカーポケットはランカーのデッキの確認、コピーが可能です。
自分でカードの相性などを一切考えることなく、強いデッキを手に入れることができるわけです。
環境もプレイヤーも、成熟していくスピードはデジタルの方が圧倒的に早いでしょう。
これはどちらが良い悪いとは言えませんが、純粋にカードゲームというジャンルを楽しめるのは、どちらかというとアナログの方なのではないかと思います。
まとめ
以上です。
デジタルもアナログも、それぞれの良さがあります。
しかし、スマホの普及率やデジタルのお手軽さを考えると、プレイヤー人口はデジタルの方が増えやすいでしょう。
ハースストーンやシャドウバースも賞金制大会が行われていますし、いずれはアナログが完全にデジタルに取って代わられる日が来るのかもしれません。
私ももうアナログカードゲームは本格的にプレイしていませんが、カード自体はまだ持っているのでたまに遊びでプレイするとやっぱり楽しいです。
面白いカードゲームはデジタルもアナログも末永く続いて欲しいものですね。